研 究Research

当センターでは、スポーツ選手の競技力向上・強化・障害予防・治療や、一般の方々の健康維持・増進、疾患の予防・治療など、さまざまな分野で大きな成果をあげています。ここではスタッフによる研究・活動の一端をご紹介します。


2020/06/29

アスリートやスポーツ愛好家にとってスポーツ外傷・障害はパフォーマンスを低下させ、重症な場合にはスポーツの継続を難しくしています。 野球における球数制限などスポーツ外傷・障害を予防するために様々な施策が行われていますが、確立された方法は未だになく治療に苦しんでいる例は少なくありません。 また生活習慣病患者の方などに対して「1日1万歩」などの有酸素運動が推奨されており、運動不足は死に関係する要因の第3位となっていることから、生活習慣病等の内科的疾患の予防に運動は重要と言われています。 しかし有酸素運動の健康効果は日常生活活動レベルを超える運動強度が必要なため、高齢者では筋力不足により運動強度が足りていないことも少なくありません。 このように、運動は老若男女問わず必要不可欠なものですが、実際の現場で予防のための指導や運動方法の提供を実践する上では、未だに明らかになっていないことが多い状況です。 私たちはこれまでの診療やメディカルチェックの結果から、スポーツ競技や生活に大きく影響するスポーツ外傷・障害、生活習慣病等の予防因子を明らかにするために研究を行っています。 研究代表者:世良泰連絡先:sera@keio.jp


2020/06/26

心臓自律神経反射機能のフィットネスへの応用 心臓自律神経反射機能(有機的な交感神経系ならびに副交感神経系の調節)は、日常活動時の心機能の調整に関与するほか、様々な心疾患においてその発生、病態、治療、予後に密接に関係しています1。 特に、生命に直接影響を及ぼす心室頻拍や心室細動をはじめとした多くの不整脈は、心臓自律神経反射機能と強い関連があることが報告されています。そのため、心臓自律神経反射機能に注目した、心疾患に対する治療法の開発は喫緊の課題となっています。 脳卒中や心筋梗塞などの脳心血管イベントを予防するためには、早期診断に加え、適切な栄養や運動などを行うことが重要となります。 ACC/AHA (米国心臓病学会/米国循環器学会)「心血管疾患リスク低減のための生活習慣マネジメントのガイドライン」では、血清コレステロールおよび血圧を低下させるために、有酸素運動を40分間、週3-4回実施することを推奨しています。 また、脳心疾患に対する有酸素運動療法はその有効性が多く報告されています2。しかし、医療機関以外で有酸素運動 (自宅やジムなどでの運動) を行う際は、脈拍数、エルゴメーターの負荷量、ボルグスケール*3などを指標としますが、予想外に弱いまたは強い運動を行っている可能性があります。 そこで、我々は、心臓自律神経反射機能のモニタリングにより、個々人の日々の体調に合わせ、有酸素運動限界をリアルタイムに知らせながら運動をすることを可能とするシステムの開発を行っております。そのために、現在、慶應義塾大学医学部、循環器内科と共同で以下の臨床研究を行っております。 *1:J Electrocardiol. 1992 Apr;25(2):79-88., J Am Coll Cardiol. 1996 Mar 15;27(4):847-52.*2: 2009;301(14):1451, JACC 2012;60:1521-*3:運動したときの感覚(つらさ)を、数字と簡単な言葉で表現したもの 研究代表者:勝俣良紀所属:慶應義塾大学循環器内科助教、スポーツ医学総合センター循環器担当専門:内科・循環器内科・不整脈・心臓リハビリテーション連絡先:goodcentury21@keio.jp 関連資料 運動中の非侵襲的心臓自律神経活動評価法の検証研究に対するご協力のお願いダウンロード 心血管疾患の検査のため当院に入院・通院されていた患者さんの-診療情報を用いた臨床研究に対するご協力のお願いダウンロード


2020/06/05

アスリートのメンタルヘルスについて、アスリートは一般人口に比してうつなどの精神症状を有する可能性が低いという仮説が提唱されています。 一方で、アスリートには特有のストレス、すなわち、過度なトレーニングや勝利へのプレッシャー、怪我、セカンドキャリアへの不安等が付加されるため精神的ストレスを抱えやすいという指摘もあります。 つまり、アスリートのメンタルヘルスに対する予防・早期介入への需要をより明確にするために、①アスリートがどの程度心理的支援を実際に求めているか、②支援を求めるために必要なコミュニケーション能力や社会的スキルがどの程度であるか、の2点が重要と考えました。 本研究では学生選手に心理検査へ回答していただくことで、コミュニケーション能力や社会的スキルの評価、心理的支援要請度の評価、回答時のうつ・不安等の精神症状を有する割合を調査する予定です。 研究代表者:山口 達也(訪問研究員)連絡先:tatsuyamaguchi@keio.jp 関連資料


2020/06/05

スポーツ選手の前十字靭帯再建術後の競技復帰について、主観的および客観的身体症状についての評価は良く行われています。 一方、競技復帰に関する心理的要因や精神症状の元となるような本人の性格特性やストレス対処能力、それに関係した競技心理特性を評価・検討している研究は少ないです。 性格検査を用いて、再建術後の競技復帰との関連を検討することで術前心理的介入の必要性について検討する研究の予備的研究になるのではないかと考えています 研究代表者:山口 達也(訪問研究員)連絡先:tatsuyamaguchi@keio.jp 関連資料


2020/06/05

現在,スポーツ界において,数多くのサプリメントが使用されていますが,実際のところ,通常の食事がしっかりと摂れている場合には,栄養の観点からはサプリメントの摂取は不要であり,またスポーツパフォーマンスにおけるサプリメントの効果のエビデンスは様々です. 一方で,サプリメント摂取による健康被害や,ラベルに記載のないドーピング禁止物質のサプリメントへのコンタミネーションによるアンチ・ドーピング違反規則違反の事例も増えてきていますが,現時点で日本のスポーツ界におけるサプリメント使用状況 については十分な調査はされていません. 本研究では,日本陸上競技連盟医事委員会と共同で,日本のエリート陸上選手におけるサプリメントの使用状況について調査をしています(https://www.jaaf.or.jp/about/resist/medical/). サプリメントの使用率や使用数,使用されているサプリメント成分の内訳などに関して,男女での違い,年代・競技レベルによる違い,種目による違いなどを調査しています. 研究代表者:田畑尚吾連絡先:03-3353-1211 (内線62183)